2019年11月5日更新
「目で見えるもの、耳で聞こえるものなど、五感で受け取る情報が具体的に多くあると、主人公がいろいろなものに反応して自由に動いてくれる。それだけの材料が必要なので、取材には時間をかけます」
第111回は佐藤多佳子氏をお迎えして、夫婦作家・紺野仲右ヱ門の紺野真美子氏による司会のもと、多くの傑作を生む基になった経験や発想、取材で見たものを自分の中に取り込むということ、書くということの原体験などについ …
2019年11月1日更新
「民間伝承の持つ力ってすごく強いので、物語に入れ込むのはとても有効ではあるんですけど、ひとつ間違うと、その素材そのものに食われてしまう危険性も、あるんですよね」
9月の講師には、佐藤多佳子先生をお迎えした。
東京都出身。1989年『サマータイム』でMOE童話大賞を受賞しデビュー。2007年『一瞬の風になれ』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞を受賞。2011年には『聖夜』で小学館児童出版文化賞、 …
2019年9月24日更新
「小説って、言語のみで表現するものじゃないですか。言語って、論理なんですよ。ロジカルな部分がないと、絶対にうまくいかないんです。感性だけで書くことは、言語を使う限り無理なんですよ」
第110回は三浦しをん氏をお迎えして、読者の反応の受け取り方、題材や技法上の挑戦、感性と論理性についてなど、池上冬樹氏の司会のもと語っていただきました。
◆エッセイの「脚色」ということ/言いたい事も言えないこんな世 …
2019年9月17日更新
「みなさん、物忘れが激しすぎるよ(笑)。前に書いたことを忘れて、都合よく、こうしたほうが効果的かな、みたいな思いつきで書いちゃうのは、登場人物たちの日常を蔑ろにしてしまっているということです」
8月の講座には、三浦しをん先生を講師としてお招きした。
1976年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。2000年『格闘する者に○(まる)』でデビュー。06年に『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞し …
2019年9月2日更新
「書いていて一番熱量がこもるときは、考えるより先に指が動いています。その状態になるためには、それまでやってきた地道な資料や文章の精査、基本的なことを1つずつ積み重ねることしかないと思います」
第109回は今村翔吾氏をお迎えして、小説に込める熱量や、夢をあきらめないということ、シリーズものの面白さと難しさ、小説家に必要な孤独などについて、お話していただきました。
◆小説への姿勢と熱量/運命の出会 …
2019年8月28日更新
「小説に突破力を与えるには、日常から立ち上げていくより、もっと大きなネタを作って、そこにリアリティを与えて、納得させるような筆力を見せる。これが、新人賞を狙うにはいいやり方だと思います」
7月講座には、今村翔吾先生を講師にお迎えした。
1984年京都府出身。2016年に『蹴れ、彦五郎』で伊豆文学賞最優秀賞(小説・随筆・紀行文部門)。『狐の城』で九州さが大衆文学賞大賞と笹沢左保賞を受賞。20 …
2019年8月5日更新
「その良さを説明しようとしてしきれないのが、本当にいい作品だと思うんですね。傑作は必ずどこか特殊なところがあって、でもそれは再現性がない、繰り返すこともできない一回性の輝きです」
第109回は穂村弘氏をお迎えして、現代を代表する名短歌の解題や、最新歌集『水中翼船炎上中』(講談社)についてなど、池上冬樹が作成した資料(項目別に分かれた秀歌集)をもとにお話していただきました。
◆セーラー服の女性歌人 …