ピクシブ文芸
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中山七転八倒

中山七里


1月1日  あけましておめでとうございます。  という訳で早速年賀状を確認すると昨年よりも増えていた。返事を出さねばならないのだが原稿優先だ。果たして時間的な余裕があるかどうか。  息子は明日から練習があるとかで、ひと足早く東京に戻る。その様子を見ていた妻は、 「まるで売られていく牛みたい」と形容した。何だそれは。  11時、同窓会に出掛ける。もう40年近く続いているので恒例行事と化しているのだが、 …

12月22日  印刷所の動いているのが28日までであるため、各出版社から27日までに原稿を寄越せとメールが届く。ううむ、連載はまだ4本も残っているのだが。いかん。これより6日間は食事の時間も惜しんで書かなければ到底間に合わないではないか。そう言えば物書きになってからは一度としてゆったりした年末を過ごしたことかない。いつも綱渡りで、おまけに正月でもずっと原稿を書き続けている。きっと今年もそうなるのだ …

12月9日  13時、『この世界の片隅に』関連書籍の情報を漁って昨日宝島社さんに在庫確認をしたところ、既に重版が決定しているではないか。慌てて担当Kさんに連絡すると、 『今、中山さんに献本の手続きをしているところです』  何と言うか、母親に小遣いをせびった道楽息子のような錯覚に陥る。デビュー版元というのは本当に母親のような存在だなあ。ママ―。  そのままお礼を伝えるだけでは申し訳ないので、数週間前 …

11月26日  10時、築地で遅めの朝食を摂る。創業三十ウン年、市場に近い店なので期待に胸を膨らませたのだが、取り立てて言うほどのことはなし。  東京で暮らし始めてからこういうことが結構多い。大阪なら二週間で廃業に追い込まれるような店が「老舗だから」とか「有名人が訪れる」とかの理由でずっと潰れずにいるのだ。一度、古の文豪が通ったという天ぷら屋にも行ったが、正直味はそれほどでもなかった。困ったのが天ぷ …

11月12日  前にも書いたが、長編・中編・短編・掌編では使う筋肉が違ってくる。出来不出来はともかくとして、僕は短編を書くのが結構得意だ(因みに色んな人の話を総合すると、100枚までが短編、350枚までが中編、それ以上が長編の括りであるらしい)。100枚の短編なら10時間も考えていればプロットが出来上がるので、後は書くだけだ。留意すべきはただ一点、キレがあるかどうか。実際、キレの有無だけで短編の出来は九割方 …

10月29日  夜半に『笑えシャイロック』第四回分を脱稿。これも何とかKADOKAWAのHさんとの約束を果たした格好で、ほっと胸を撫で下ろす。撫で下ろした瞬間、猛烈な睡魔に襲われるが、まだ月内に「小説トリッパー」連載『騒がしい楽園』100枚を片付けなければならないので眠る訳にはいかない。急いで例のごとくエナジードリンク混合液を喉に流し込んでから執筆を再開する。  それにしても、どうして各文芸誌というの …

10月15日 出版社を介し、データ管理会社から「マイナンバーを提出せよ」との封書が届く。同業者の方はご存じだろうが、こうしたものはお付き合いしている出版社の数だけ届く。僕の場合はこれが九通目(あと六通は届くはずだ)。 制度開始の頃は物珍しさも手伝ってこまめに提出していたのだが、出版社ではなく、データ管理会社に提出するかたちが増えた頃から考えを改めるようになった。カードや身分証のコピーを添付する手間 …
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