第1回ピクシブ文芸大賞の小説幻冬賞を受賞した石原弓子さんの新作「蔵紡ぎ」がスタートします。第1話は本日発売の小説幻冬にて掲載です。

医者になる夢を叶えて、堺で診療所を開業した日に、十五の娘を誤診で死なせしてしまう小倉利通。家も藩も追われた彼が、蔵紡診療所を営むくらに拾われるところからお話が始まります。

今回は、このお話の魅力や時代小説の楽しさと難しさについてインタビューに答えてもらいました。

Q1 第1回ピクシブ文芸大賞の受賞作「からっきし又右衛門」、そして、今回の「蔵紡ぎ」と、時代小説のいちばんの魅力はどこですか?

A1 想像を掻き立てられるというところです。時代背景は当時の資料を通して知ることが出来ますが、そこに書かれている内容が嘘か誠か、当時を生きた者しか判断することが出来ません。

口裏を合わせ、嘘を誠のように後世に伝えることだってあり得るからです。そうした歴史の裏を考えられるところが魅力です。

Q2過去には現代小説を書かれていた経験もありますが、時代小説を書く上で気をつけていることや現代小説とは違う苦労はなんでしょうか?

A2 基本は同じです。現代物も時代物も人と人との葛藤を描いているので、キャラクターの生い立ちを重視しています。

この人はどうしてこんな思いを抱いてこんな行動を起こすようになるのか。後は決められたキャラクター達がその個性で動き出してくれるので、時代物には当時の背景と言葉遣いを調べて書き込んでいくだけです。

Q3 タイトルを決める上で大事にしていることがあったら教えてください

A3 タイトルが一番苦手です。テーマに沿ったタイトルをと考えるのですが、思い付いては安易だ却下となかなか決められず、ギリギリまで悩むことの方が多いです。

大好きな葉室麟先生のように、思わず手に取ってどんな作品なんだろうかと読んでいるうちに、なるほどと唸ってしまうようなタイトルが浮かぶように精進していきたいです。

Q4 常識や慣例にとらわれず、腕と信念を頼りに生きるくら、蔵紡診療所でくらの右腕として働くも劣等感のかたまりである平助、など、さまざまな過去をもった人たちが多いですが、こだわったところを教えてください。

A4 人は誰でも、コンプレックスを持って生きていると思います。そしてそれを跳ね返す良さも持ち合わせています。一人では気付けずにいて落ち込むことも、支えてくれる仲間達がいれば、自身を見直し明日に向かえます。

この話は命だけではなく、互いに切磋琢磨して、失ってしまった自らの道を紡いでいく話でもあります。

Q5 命を扱う場面がたくさん出てきますが、生死をテーマにしたお話を書く上で心がけていることは何でしょうか。

A5 命は一つ限りです。しかし、延命を望む者、長生きを望まない者など、生と死の思いは人それぞれです。それは患者でも医者の立場であっても起こる思いで、主人公が今まで正しいと思い続けて来た行動が揺らぐようなことが出て来るかもしれません。

その時、どういう結果に辿り着くのか、私自身もよく考えて書き綴っていきたいと思います。

Q6 今後、注目してもらいたいポイントを教えてください!

A6 主人公達の過去が一つ一つ紐解かれ、さまざまな事件に巻き込まれながら、日々を過ごしていきます。登場人物も少しずつ増え、賑やかながらも真剣に明日を切り開いて行く姿を楽しんで頂けたらと思います。頑張りますので、応援宜しくお願い致します。

今後、連作短編シリーズとしてピクシブ文芸で掲載していきます。どうぞお楽しみに。

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